顎が横にズレている・顔のゆがみの矯正治療
顎が横にズレている・顔のゆがみ（奥歯のかみ合わせが横にずれている）
顔の真ん中に対して、顎が右か左のどちらかにズレている状態を指し、「顎が曲がっている」という言葉で表現されることが多いようです。
一般的には、下顎がズレている状態を想像しますが、実際の所は、上顎が頭に対して曲がって付いているために、下顎が曲がって見えたり、単にかみ合わせの問題で曲がって見える場合もあります。
ただし、100％左右対称の顔を持つ人はおらず、多少の非対称は誰にでも認められますので、気にしすぎることは全くありません。
それでも気になる場合は、矯正歯科を受診し、実際、治す必要がある状態なのか等をご相談なさると良いと思います。
顎のズレの原因
症状の原因は大きく分けて3つあります。
- 頭の骨（頭蓋骨）に対して上顎、下顎もしくは、両方の顎の骨がズレている場合
- 歯の生える位置や角度によって、顎をずらさないと咬めないために起こる場合
- 1つ目と2つ目の症状が両方含まれる場合
詳しく説明しますと、1つ目は、左右の骨の長さや大きさ違うために，顔を正面から見たときに特に下あごの先（オトガイ部）ずれて見えたり、どちらかの顎角（えら）の部分膨らんで見えたりします。
特に下顎が上顎に対して横にズレている場合は、奥歯のかみ合わせも影響し、いわゆる奥歯の反対咬合やはさみ状咬合になっている事が多いです。
原因は、やはり遺伝的な影響が挙げられますが、頬杖や常に同じ方向に横を向いて寝るなどの生活習慣などの要因でも増長されることも有ります。
2つ目は、上下の顎の骨の位置が、骨格的にズレている訳ではないのですが、上下の歯のかみ合わせの関係で、下あごを横にずらさないと咬めない状態が起きていることで、下あごがズレて見える状態です。原因としては、乳歯が中々抜け無い等が原因となり、大人の歯（永久歯）が変な場所に生えてきてしまった場合に多く見受けられます。
3つ目は、1つ目と2つ目が複合して非対称が増長されている場合で、大多数の患者様の原因がこれになります。
複合的な症状
顎のズレは、軽度なものから重度のものまでバリエーションが多数あります。
前述しましたが、100％左右対称な人はおりませんので、実際の治療対象はかみ合わせに関わってくるような、顎のずれが認められる方です。
ただし、顎の横ズレ自体は軽度でも、叢生、開咬、過蓋咬合、前後的な顎のズレなどの他の不正咬合が併発していることも多く、治療の難易度は、他の要因によって大きく変わってきます。
健康上のリスクや普段の生活で困ること
顎のズレを治したいと来院される患者様の主訴の一番は、見た目のコンプレックスです。
ただ、実際検査をしてみると、顎関節症状を併発していたり、かみ合わせのズレによって歯が大きなダメージを受けていることもあります。
また、そのようにダメージを受けている歯の寿命は、短い場合が多いので、若いうちから入れ歯になる方もいらっしゃいますが、その入れ歯も、顎がズレていることで上手く作ることができない場合も有ります。
顎のズレの治療法
子供の治療（1期治療）
治療のタイミングとしては、大人の奥歯（第一大臼歯）が生えそろった時期となります。第一大臼歯が生えた時点で、奥歯にかみ合わせのズレが認められる場合は，その後の顎の成長に悪影響を与えるので、できるだけ早く治していくことをお薦めします。基本的には、顎を横に広げる装置を付け、その後4前歯と一部の奥歯に装置を付け治していきます。奥歯のズレを治すことで、顎のズレが後天的な要因で悪化する事を防げますし、将来的に大人になったら行う仕上げの治療（2期治療）をより簡便な形で行えるように土台作っていきます。（ただし、遺伝的な要因を防ぐ時とはできません）
成人の治療
顎の骨自体ズレは、矯正治療単独で治すことはでき無いため、外科的矯正手術が必要となります。
ただし、外科的矯正手術は、あくまでも不正咬合に対する治療のため、顎角の左右の形の違いをはじめとした顔の左右の非対称について治すことには、限界が有ります。
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軽度の顎のズレ
基本的に、顎のズレがかみ合わせによって引き起こされている場合以外は、特に非対称に対する治療は行いません。治療の内容は、他の治療同様上下の歯にブラケット装置を付け治していきますが、治療内容や難易度は、叢生等の歯並びや、反対咬合等の複合的な要因によって変わってきます。 -
中等度～重度の顎のズレがある場合
基本的には、外科的矯正手術にて治すことになります。矯正歯科で歯並びを、口腔外科で顎の骨を切る手術することで顎のずれを治します。ただし、かみ合わせは治りますが、必ずしも顔が完全に左右対称になる訳ではありません。また、顎関節症を対象にした治療ではありませんので、軽減することもありますが、必ずしも治るとは限りません。
