ご予約・ご相談 TEL 022-346-7707
診療スケジュール
ご予約

マウスピース矯正の注意点

後悔しないために
マウスピース型矯正装置を考えている方に知って欲しいこと

最近、厚生労働省や消費者庁、国民生活センターなどに寄せられる矯正歯科関連の相談の中で、カスタムメイドのマウスピース型矯正装置を用いた不適切な矯正歯科治療に関する苦情が増加していると言われており、日本矯正歯科学会や日本臨床矯正歯科学会などで、患者様に注意喚起がなされています。
当院でも、他院でマウスピース型矯正装置で治療中の患者様から、「治らない」と治療の相談を受ける事もあります。
あとから後悔しない矯正治療を行うためにも、以下の事に留意しながらご自身の治療をどうするか決めて頂ければと思います。

トラブルが全国的に増えている理由

マウスピース型矯正装置を使った矯正治療は、一般歯科でも行っている所が増えてきましたし、それどころか歯科医師を介しない業者も出てきています。
マウスピース型矯正装置による矯正治療、どこでやっても同じと思っていませんか?
安く売り出している業者もあり、そちらに飛びついてしまうのも、仕方ない気がします。

製品の中には、かみ合わせは治らないと正直に書いてある製品もありますが、記載がない製品でも正中線やかみ合わせのズレを治す事が出来ない場合もあるため、注意が必要です。少なくとも、歯科医師が検査診断を行うところでの治療が安心ですし、歯並びだけではなくかみ合わせも理想的な状態になるのか、など詳しく聞いてみる必要があると思います。

また、トラブルの原因として考えられるもう一つの原因としては、マウスピース型矯正装置は、来院の必要がなく治療できるという業者の存在もあげられると思います。
確かに来院回数はワイヤー矯正と比較して少なくて良いのですが、来院の必要がほとんどないというのは、かなり危険です。マウスピース型矯正装置は、歯を動かす仕組みの特性上、患者様が指示通りきちんと使用していても、1ステップごとに、僅かなずれが生じてきます。1~2ステップでは、それほど分かりませんが、20ステップ、30ステップと治療が進んでくると、ある程度大きなずれとなり、予定通りに歯が動きづらなるので、その状態で、改めて装置を作り直す必要があります。さらに、そのずれは、患者様の使い方によって大きく変わりますので、治療を理解している歯科医師がきちんと、確認しながら進めないと、全く治らないばかりか、予想もしない動きをすることがあります。そのため、チェックのための来院がほとんどいらないというような治療は、かなり危ういような気がします。

矯正装置ができるまでの驚きの裏側

マウスピース型矯正装置は、歯型データや模型を製造メーカに出すと、自動的に良い歯並びとなったデジタルセットアップ(最終的な歯並びとかみ合わせを示した3次元画像)とそこに至るまでの、歯の動きに沿ったステップのデータが送られてきます。この歯の動きを確認して問題なければ承認することで、マウスピース矯正装置が作成され送られてきます。
極端に言うと、マウスピース型矯正装置を作成する会社に、歯型のデータさえ送れば、装置を作る事は可能なのです。誰でもできそうですが、ここが大きな落とし穴なのです。
実は、制作会社で装置を作っている人(テクニシャン)は、矯正治療の専門家ではないため、歯の特有の動きを知りません。そのため、制作会社から送られてきたセットアップ(どのように歯を動かすかのシミュレーション)を確認してみると、絶対ありえない歯の動きをしていることがほとんどで、それで作成されたマウスピースを装着したとしても、絶対治るわけがないのです。そのため、きちんと治すには、私たち担当ドクターがチェックし、間違った動きをしている歯について事細かにオーダーする必要があるのです。
その修正依頼は、1~2回のやりとりでオーダー通りに出来上がることは、まずありません。テクニシャンの方は、デジタルデータを操作する技術者であり、矯正専門の医師ではないので仕方ないのですが、時には、10~20回も細かな修正依頼が必要なのです。

だからこそ矯正歯科専門の医院で治療するのがおすすめ!

前述した通り、制作会社で作成したものを私たち歯科医師が確認して修正依頼を行う作業は、矯正歯科の専門的な知識や経験、そしてマウスピース型矯正装置の歯の動きを熟知している必要があり、治療の成否に関わるとても重要な工程です。
この工程をきちんと行えていれば、きちんと装置を使用しているにもかかわらず「治らない」「逆に悪くなった」と全国的に報告されているようなトラブルがなくなるのではないでしょうか。だからこそ、歯の動きを熟知している矯正専門医での治療をお勧めするのです。
ただし、矯正専門医での治療であっても、様々な原因で歯が想定した動きをせずに、理想的な状態まで治らないケースというのが、一定の割合で存在するのも事実です。こんなとき、治す手段としてブラケット装置を使う必要があるのですが、矯正専門医であれば、どんな状態でも治せる技術があるため、費用的な負担も少なく、確実に治してもらえるという安心も得られるという利点もあります。

  ワイヤー矯正 アライナー矯正
唇側矯正治療 舌側矯正治療 マウスピース型矯正治療
見た目
費用
治療期間 使用状況による
歯の磨き易さ × ×
治療中のトラブル

アライナー矯正装置における治療に関する見解について、の日本矯正歯科学会および日本臨床矯正歯科学会の両学会ともに、注意喚起が出されておりますので、以下のホームページをご覧ください。

日本矯正歯科学会
https://www.jos.gr.jp/4348

日本臨床矯正歯科学会
https://www.jpao.jp/15news/1525trendwatch/vol23